「解約して入り直したほうが有利」といった保険の見直しを勧められたとき、そのメリットの裏にあるデメリットや税金の取扱いはどのように考えるべきでしょうか。
子どもたちが相続税を円滑に支払えるよう3年前に終身保険に加入しました。先日、保険会社の担当者から、3年前に加入した契約を解約し、返戻金を元手に新しい保険に入り直すプランの提案を受けました。新しい保険のほうが利率が高いため、入り直すことで保険金額が増え、解約する際の返戻率も高くなるとのことでした。
今の契約は、少しでも若い年齢で加入したほうがよいと勧められて加入したものです。解約して入り直すことによるデメリットや税金など、注意すべき点を教えてください。
- 保険種類:一時払終身保険
- 契約者(保険料負担者):私(現在64歳)
- 被保険者:私
- 死亡保険金受取人:長男、長女(各5割)
| 現在の保険(2023年) | 新しい保険(2026年) | |
|---|---|---|
| 保険金額 | 2,000万円 | 2,400万円 |
| 一時払保険料 | 1,839万円 | 1,812万円 |
| 現時点の解約返戻金 | 1,817万円 | ー |
| 10年後の解約返戻金 | 1,877万円 | 1,958万円 |
若い年齢で加入したメリットも踏まえつつ、予定利率の上昇だけで判断せず、「解約返戻金に一時所得課税が生じる可能性や新契約に伴う条件変更・無保険期間のリスク」を含めて総合的に比較することが重要です。
生命保険の保険料は3つの予定基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)をもとに決められています。
予定利率は、契約者から預かった保険料を保険会社が運用する際に見込む利率で、市場金利を参考にして各保険会社が決定します。金利情勢の変化により予定利率が上昇した場合、契約年齢があがっていても予定利率が高くなった新しい保険に加入し直したほうが、保険料の負担が減少したり解約返戻金の増え方が大きくなったりするケースがあります。
ただし、同じ種類や同じ保障であっても、あくまでも新たに契約することになりますので、いくつか注意点があります。
- @ 保険種類や保険金額によっては健康状態の査定があり、加入できない、あるいは保険料の割増や部位不担保の条件が付く場合もある
- A 新しい保険の約款が適用され、自殺の免責期間などの起算日が変わる
- B 現在の保険を解約して受け取る返戻金は、払込保険料累計額や他の所得の状況によっては一時所得の課税対象になる
- C 新しい保険の効力が開始する前に現在の契約を解約すると、保障がない期間ができる
- D 新しい保険に保障額抑制期間が設定されており、一定期間、現在の契約より保険金額が少ない場合がある
このように、生命保険を解約して新たに入り直す際は、注意点が複数あります。メリットがある場合でも、加入の目的や重視するポイントを整理したうえで、現在の内容と新しい保険の内容を詳細まで比較検討を行う必要があります。仮に新しい保険の方が意向に合致する場合には、手順にも気をつけて手続きを進めましょう。
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