お金に困らないための〜税金の相続対策
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文書作成日:2023/04/05
孫への教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度

小学校へ入学した孫に対して、教育資金の一括贈与を2023年中に行おうと思います。教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度は適用できますか?

Q
今月のご相談

 孫の小学校入学を機に、教育資金の一括贈与を検討しています。
 一度に渡しても一定額までであれば贈与税が非課税となる、と聞いています。これが今年(2023年)の3月末までと聞いていましたが、令和5年度税制改正で延長はされましたか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 ご相談の非課税は、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度と考えられますが、こちらについては、令和5年度税制改正で適用期限が3年延長されました。具体的には、2026年(令和8年)3月31日が延長後の適用期限となります。

A-2
詳細解説
1.教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度

 年齢30歳未満の一定の受贈者が、教育資金に充てるため、一定の契約に基づき、祖父母など直系尊属から信託受益権を取得するなど教育資金口座の開設等を行った場合には、その信託受益権等の価額のうち1,500万円を限度に、一定の手続をすることで、受贈者の贈与税が非課税となります。これを「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度(以下、非課税制度)」といいます。

 この非課税制度については適用期間が定められており、平成25年(2013年)1月1日から令和5年(2023年)3月31日までとなっていました。

2.令和5年度税制改正

 2022年12月23日に閣議決定された「令和5年度税制改正の大綱」には、この非課税制度について、いくつかの改正項目が記載されています。主な改正項目は以下のとおりです。

  1. (1) 適用期限の延長
     適用期限を3年延長する。
  2. (2) 契約期間中に贈与者が死亡した場合の相続税の取扱いの見直し
     契約期間中に贈与者が死亡した場合で、非課税となる拠出額から教育資金として支出した額を控除した残額(以下、管理残額)があるときの、管理残額に対する相続税の取扱いについて、受贈者が23歳未満である場合等であっても、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときには、相続等により取得したものとみなして相続税を計算する。これは、令和5年(2023年)4月1日以後に取得する信託受益権等に係る相続税について、適用する。
  3. (3) 契約終了時の管理残額の贈与税計算の見直し
     契約終了時において管理残額がある場合の贈与税の計算について、一般税率を適用する。これは、令和5年(2023年)4月1日以後に取得する信託受益権等に係る贈与税について、適用する。

 ご相談の場合、お孫さんへの教育資金の一括贈与については、適用期限が3年間延長されたことにより、2023年中に利用することは可能です。ただし、適用には一定の要件があります。

 なお、学費や教材費、文具費などの教育費に充てるために扶養義務者からされた贈与については、上記の非課税制度を利用せずとも、必要な都度、通常の範囲内で行えば、贈与税はかかりません。ただし、教育費の名目であっても預金をしたり、株式などの購入資金に充てたりした場合などには、贈与税がかかります。ご注意ください。

<参考>
 国税庁HP タックスアンサー「No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」「No.4405 贈与税がかからない場合
 財務省HP「令和5年度税制改正の大綱

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