やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2017/08/15
宿日直を継続して行った場合の所得税の課税関係

[相談]

 当社では、夜間のシステムトラブルへの緊急対応のため、所轄労働基準監督署の許可を得た上で、従業員に交代で宿日直勤務をさせています。

 具体的には、毎日の夜間が宿直勤務、土日祝日の昼間が日直および宿直勤務です。当社はその一回あたりの宿日直手当として、所得税法上非課税とされる限度額の4,000円(食事代は支給なし)を支給していますが、従業員から下記のような意見が出ました。

(従業員からの意見)

  • 平日は宿直勤務だけであるのに対し、土日祝日は日直勤務と宿直勤務の両方を行っている。
  • にもかかわらず、手当が一律4,000円というのは勤務時間に対し少なすぎるのではないか。
 言われてみれば従業員の意見にも一理あるため、土日祝日の宿日直手当については、8,000円の支給(宿直、日直の内訳区分なし)に変更しようと考えています。この場合、8,000円−4,000円=4,000円について、所得税が課税されると考えてよろしいでしょうか。


[回答]

 ご相談の場合、宿日直手当にかかる所得税の非課税限度額は、8,000円となります。したがって、変更後の宿日直手当について所得税(源泉所得税)は課税されません。


[解説]

 宿日直手当は、税務上は給与等に該当するものとされています。宿日直手当は、その支給の基因となった勤務1回につき支給される金額(日直等の勤務をすることにより支給される食事の価額を除く。)のうち4,000円(日直等の勤務をすることにより支給される食事がある場合には、4,000円からその食事の価額を控除した残額)までの部分については、課税しないものとされています(休日又は夜間の留守番だけを行うために雇用された者へ支給する宿日直料等を除く)。

 また、同一人が宿直と日直とを引き続いて行った場合(土曜日等通常の勤務時間が短い日の宿直で、宿直としての勤務時間が長いため、通常の日の宿直料よりも多額の宿直料が支給される場合を含む。)には、通常の宿直又は日直に相当する勤務時間を経過するごとに宿直又は日直を1回行ったものとして、上記の取扱いが適用されます。

 このため、貴社の場合は土日祝日の日直勤務が通常の宿直勤務(平日夜間)の勤務時間を超えて行われていますので、土日祝日に関しては日直と宿直をそれぞれ1回ずつ行ったものとして、所得税の非課税限度額を計算することとなります。

 したがって、ご相談の場合の所得税非課税限度額は、下記のとおりとなります。

  4,000円+4,000円=8,000円

 なお、同じ8,000円の支給であっても、仮に宿直手当を5,000円、日直手当を3,000円というように区分して支給する場合は、日直手当については4,000円を超えないため非課税ですが、宿直手当については4,000円を超える部分の1,000円に対して所得税が課税されます(伊東博之著「Q&A源泉徴収事務と課税判断(税務経理協会)」参照)。

 宿日直手当を支給される場合には、上記のように支給方法によって課税関係が変わる場合もありますので、事前に当事務所へご相談ください。


[根拠法令等]
所法28、所基通28-1〜2、労基法32、労基則23など


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